高校生よくある質問「学歴フィルターと就活」

学歴フィルターと就活

学歴フィルターってなに? なんかそんな言葉を先輩から聞いたんだけど

就活の時に企業が学生を「大学名」でばっさり切ることだよ

 

Q

は?

A

いま就活はリクルートという会社が実質的にほぼ支配している。

 

 

Q

会社がどうしたの?

A

リクルートはスタディサプリを作っているから高校生にはなじみ深いね、彼らは転職市場もほぼ独占的に支配しているし、結婚マッチング市場も支配しているし、そして葬式の僧侶を格安で派遣するシステムを構築して葬式市場も支配しようとしているね。つまり冠婚葬祭のすべての首根っこをおさえようとしている会社だよ。頭いいなあ。

 

 

Q

それがどうしたの?

A

ここにおいて、リクルートの創った就活ゲームにおいては学生からの人気が高い企業には、学生からのエントリーシートが数万枚も届いてしまう仕組みになっているんだ。キミらのお父さんやお母さんの頃とは就活のマクロなゲーム・システムが違うんだ。または最近は大学二年や遅くとも大学三年でインターンシップに参加しないと、そもそも大企業の志望者としては出遅れていることになるけれど、このインターンシップの申し込みも、企業には何万通も応募が来てしまう。

 

 

Q

どうやって何万通もの応募を処理するの? 大企業だし、新卒採用の担当者が100人くらいいるの?

新卒採用の担当は大企業でもだいたい数人らしい。中小企業なら一人か二人だね。限られた人数のサラリーマンが限られた時間でもって全てのエントリーシートに目を通すことは実質的に不可能だよね。だからしかたなく第一関門として「大学名」で学生をふるいにかけてしまう、という「公然の秘密」が学歴フィルターだよ。

 

 

Q

ひどくない? 中身で見てよ!?

A

こういう時は相手の立場に立って考えてみればいいじゃないかな。

 

 

Q

相手の立場? 

A

たとえば仮にある日、キミが突然に一万人から同時に結婚を申し込まれた、と思考実験してみたらどうだろうか。

 

 

Q

モテモテじゃん。ありえないんだけど。

A

そこは思考実験だから。

ここにおいて、キミは人間とは中身が大事だと理屈では分かってはいるけれど、しかし、いくらなんでも一万人すべて「相手の中身がわかるまで」深く付き合ってみることはできないよね。時間的に無理がある。老人になっちゃうよ。

 

 

Q

まあ無理だね。

A

「しかたがないので」とりあえずは、第一関門として、年齢、顔面、年収、あたりで大雑把にふるいにかけてしまうのではないかな。それでもって50人くらいまで数が絞れたそのあとで、一人一人を見るのではないかな。

 

 

Q

ぐむむ

A

最後は中身で選ぶけれど、しかし最初はどうしてもなんらかの基準で人数を減らさなければならないよね。そんなジレンマが学歴フィルターなのじゃないだろうか。

 

 

Q

なんか納得いかないな。

A

学歴フィルターによるフィルタリングは「限られた時間で大人数を捌けなければいけない」という制約だろう、と推測を立てることができるね。

 

 

Q

優秀な学生を取りそこなうかもしれないじゃん

A

そこは私に言われても。私は企業の人事じゃないから。

 

 

Q

旧態依然とした日本企業の怠慢だよ。受験エリートばっかり集めてどうするんだよ。

A

旧態依然としてるのは学生の側も同じだろ。

 

 

Q

は?

A

だって何万人もの学生がひとつの企業に集まるなんておかしいじゃないか。結局はキミらだって知名度や安定性で企業を選んでいるんだろ。キミの方こそ何万社もの中小企業の中から、ブランドなんかに捉われないで、時間をかけてひとつひとつ調べて優秀な中小企業を中身で選べよ。怠慢じゃないのか?

 

 

Q

ぐむむ。

A

実は学歴フィルターの真の原因とは「学生がみんな同じような人気企業に殺到してしまう」という現象にその根っこがあるんだよ。だからさ、たしかに企業のほうも学生の大学名でばっさり切ってくるかもしれないけど、しかし実は、キミの方こそも企業を企業名だけで最初にバッサリふるいにかけているんだ。

 

 

Q

なんで塾屋ごときに説教されなきゃいけないだよ。

A

だからもしキミが人気企業や有名企業ばかりを志望せずに、すこし規模の小さい企業を志望すれば、学歴フィルターなどそうそう感じるものではないよ。実際に中小に勤めている私の友人は「学生が来ない、学生が来ない」って言っているから。

 

 

Q

えー。中小はあんまり行きたくないなぁ。

A

おいおい。だったら企業の側が「えー、偏差値60未満の学生はあんまり欲しくないなー」とか言ったとしても、キミは文句が言えないぜ。

 

 

Q

うるせーな。じゃあさ、どの大学だとフィルターにかからないの?

A

わたしが個人的に人材系の企業で働く友人から聞いた話でいい?

 

 

Q

いいよ。

A

個人的に酒を飲みながら聞いた話だからオフィシャルな見解ではないし、すべての企業に当てはまるわけでもないと思うよ。

 

 

Q

いいよ

A

「首都圏にある偏差値60くらいの私立大学」または「地方の国公立」を超えれば、まずどんな大企業からもフィルターで弾かれることはない、って話だったよ。どこに出してもエントリーシートは通るし、ネットの説明会の申し込みも「満席です」とは表示されないんじゃないかな? そこさえ突破すればあとは自分の力で勝負だよね。

 

 

ほかには?

早慶の学生が集まるイベントなら企業は参加費を出してでもイベントに参加するけど、マーチの学生のためには金を出してまでイベントには参加しない場合が多い、って言ってたよ。酒の席での話だったから企業としてのオフィシャルな見解ではないけれど、ある程度の本音は含んでいるのじゃないかな。そこはキミが判断して。

 

 

Q

じゃあ偏差値60前後が目安なのね? そう言ったね? 命かけてよね!

A

命はかけられないです。それと重要なのは偏差値だけじゃないんだよ。

 

 

Q

は?

A

理系とくに工学系と情報系は偏差値にあまり関係なく就職はよいみたいだよ。

とくに情報系の知識を持つ学生は就職市場では価値が高いとずいぶん前から言われ続けてる。情報系ってのは簡単に言うと「プログラムが組めて数学にも通じてる」学生のことね。

 

 

Q

プログラムが組めて数学にも通じてる学生、ね。

A

これは時代の要請だからこの傾向はまだまだ続くと考えらるし、在学中になにかアプリでもひとつ開発して値段をつけてグーグルプレイかなんかで売ることができたなら、偏差値と関係なくキミはもうどっかで働けるんじゃないかな。偏差値だけにとらわれるのはダメだよ。

 

文責 ふじい

 

理系か文系か、それが問題だ

 

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